完熟・桃エールが出来るまで
現在好評発売中の桃エールは、神戸市押部谷で木成り栽培された完熟桃を
使用しています。1回の仕込みで1200L(瓶換算で3600本)を製造するのですが、桃エールは200kgを超える量の桃を投入します。
まずは仕入れから。
農家さんで収穫された桃は地元のJAさんに集められて選別されるのですが、
熟しすぎて出荷できないものは選外品となります。弊社では選外品を
購入させて頂き、ビールに使用しています。
(もちろん使用前に試食して、味を確認しています。年度によって甘みなど
味に違いがあることは、フルーツを使用する時には気を付けないといけません。)
購入してきた桃は、傷みが進んでいる箇所もあるため、一個一個、手作業で
下ごしらえします。
続いて桃をマッシュタンに投入し、数時間にわたって踏み続けて
ペースト状にすることでエキス分を抽出していきます。
写真は後輩の鶴田です。
笑いながら作業していますが、実はマッシュタンの中は二酸化炭素が
充填されていて、頭を中に突っ込むと窒息してしまいます。
(黒くて細いホースは二酸化炭素が流れています。)
食品全般に言えることですが、酸化によって味は損なわれてしまいます。
弊社では、マッシュタンの中の空気を二酸化炭素で置換して、
極力、桃が酸素と触れ合わないように気を付けながら作業しています。
5時間にわたって鶴田が踏み続けて抽出した桃のエキスは、
加熱殺菌してから麦汁と混ぜ合わせ、発酵・熟成を経て、桃エールになります。
酸化のリスクに"かなり"気を配って仕込んだ今回の完熟・桃エールは
桃の美味しさが過去最高の綺麗さで味わえると自負しています。
以上、簡単ながら「完熟・桃エールができるまで」紹介させて頂きました。
製造スタッフが苦労して仕上げた逸品ですので、ぜひご賞味頂けたらと思います。
By 大渕/ヘッドブルワー